簡単な技法で奇麗に仕上がります。
研ぎ出し技法は、初めてに方にも十分楽しめます。

素材の準備

木素材に加工する場合は、拭き漆の章の、5.まで仕上げておきます。

プラスチック素材の場合、そのプラスチックに合った塗料等で下塗り
をし、よく乾燥後、1000番前後の耐水サンドペーパーで、軽く水研ぎ
しておきます。
 (陶器やガラス製品も、この方法で大丈夫です)

色漆の準備

色漆は、朱合漆に漆用顔料を練り合わせてつくります。




 朱合漆と漆用顔料の練合わせ比率は、見
 た目で1:1が目安です。 研ぎ出しに使う
 場合は1:1.5位 顔料を増やした方が発色
 は良くなります。

・力を入れますので、堅目の板の上で練合
 わせます。ヘラ等で顔料を潰す様にしなが
 ら、じっくりと、しつこい位練りあげます。
 (煉れば煉るキメが細かく、程発色も良くな
  ります)

 練り合わせた色漆を吉野紙で濾します。
(一見綺麗に見えますが、分散し残った顔
 料やゴミが沢山含まれています)

・吉野紙を適当な大きさに切り、練り合わせ
 た色漆を中央部へ乗せます。


・乗せた漆を包み込む様に、吉野紙を半分
 に折り込みます。

・漆の部分が中心になる様に、ス捲き状に
 します。

・両端からゆっくり絞り込む様にしますと、
 濾過された漆がにじみ出てきます。(あま
 り力を入れ過ぎると吉野紙が破れますの
 で注意が必要です)


研ぎ出しの工程(自然の小石の例)
 1. 好みの形に、1度目の色漆を刷毛や筆で塗りつぶし、乾かします。

あまり厚く塗りますと垂れたり、チジレ(表面
だけ乾き内側が乾かず、表面にシワになっ
てしまう状態)が出来てしまいます。



 2. 1度目の塗膜の上へ重ねるように2度目の色漆を塗り乾かします。

塗り重ねる色は同系色の組合せよりも反対
色の組合せの方が、メリハリが出て 奇麗
に見えます。(個人的な見解です)



 3. 2の行程を5〜6回繰り返します。
   時間はかかりますが、塗り重ねる回数は多い方が出来上がりは
   奇麗に見えます。

 4. 良く乾かしてから、研ぎ出しをします。
   最初は600番程度の耐水サンドペーパーで、研ぎ柄を考えなが
   ら大まかに水研ぎします。

 5. 4に引き続き、サンドペーパーの番手を1000番、1500番、
   2000番と細か目にしながら、表面の研ぎ傷を浅くしていきます。

 6. 最後に、コンパウンド(自動車用のもので十分です)などで磨き、
   艶を上げて完成です。

この小石は10回位塗り重ね、研ぎ出した例
です。 研ぐ場合、ただ平面的に研ぐだけで
はなく、柄が細かくなる様にすると綺麗に見
えます。(これも好き嫌いがありますかね)