・金継ぎ(きんつぎ)
(割れてしまった陶磁器の修理)
1.割れた陶磁器を、糊漆で接着
割れた面とその周辺を、油分や汚れを取り除くために、テレピン油などでよく拭きます。
(メチルアルコール・ラッカーシンナーでも代用できます)
・接着に使う糊漆を作ります。
まず、ご飯を10粒位お湯に漬置きして柔らかくし、ヘラでよく練り米糊を作ります。
米糊と生漆(米糊1:生漆1)をよく練り合わせ、糊漆(のりうるし)を作ります。
※糊漆は保存ができないので、残らない様に作ります。
米糊と生漆を、見た目同量位を良く練り混ぜます。
※ヘラで薄く引いた時に粒が見えなくなるまで練ります。
出来た糊漆を陶磁器の接着面に出来るだけ均一に塗、欠片を接着していきます。
(接着した時に、糊漆が少しはみ出る位の量に塗ります)
欠片は小さいものはら接着していくとやり易いです。
※接着時には力を入れて割れ面を合わす様にします。
接着面が剥がれない様に、輪ゴムやセロテープで工夫しながらしっかりと固定します。
※糊漆は乾くのに時間がかかります。約1ヶ月間位は固定したままにして置きます
はみ出した糊漆は、ティッシュペーパーや綿棒にテレピン油を付けて奇麗に拭き取ります。
(漆は乾くと褐色化しますので、綺麗に見えてももう一度拭き取る様にします)
漆が完全に乾いたら、はみ出た糊漆をヘラ等で削り取ります。
※金属製のヘラですと陶磁器に傷が付きます
耐水サンドペーパー(1000#程度)で水研ぎし、糊漆の細かいはみ出しや表面を研いで
滑らかにします。
※力を入れ過ぎると陶磁器に傷が付きます
2.金蒔絵で接着面を加飾します。
金蒔絵用の漆を作ります。
朱合漆にカンフル(漆を柔らかくする粉)を少しずつ混ぜ合わせ、小筆で書き易い
柔らかさにします。(見た目で、漆3:カンフル1くらいの量を上限としてください)
柔らかくなった漆にベンガラの顔料を混ぜ込みます。
※顔料で色を付けた方が書き易いです
出来あがった漆を細い筆で、接着した部分に薄く塗ります。
半乾き(15分〜30分 温度と湿度によって異なります)なったら。
金粉をパフに付けて、軽くなでる様に蒔きます。
半乾きの状態を見極めるのは非常に難しいです。
表面が濡れた感じの時はまだ早すぎます。
息を「ハァ〜」と吹きかけて白く曇る位が丁度良いです。
蒔くのが早すぎると、漆がよれて奇麗に仕上がりませんし、遅すぎると金粉が付かなく
なってしまいます。 ベンガラ等の顔料を蒔いて練習してみると良いと思います。
金粉を全体に蒔けたら、2日位乾かします。
乾かした後、余分な金粉は払い落し、湿らせたティッシュ等で拭き取り綺麗にします。
仕上げに生漆で拭き漆をします。
※拭き漆をすることで金粉が定着して丈夫になります
金継した陶磁器を実際に使用するのは、2週間程放置した後にします。
また、金属で蒔絵をしましたので電子レンジでは使えませんのでご注意下さい。