漆の乾燥は絵の具の水分蒸発による乾燥と違って、空気中の水分から酸素を取り込ん で固まる化学反応によるものです。 この化学反応には、適切な温度と湿度が必要とな ります。 乾燥には、漆の質や環境により通常は数時間から数十時間を要します。また 、適切な環境でない場合には、1か月経っても乾かない場合もあります。 職人さんや漆芸家の方は、室(ムロ)と呼ぶ大きい木箱の中に、湿らした布などを吊る し、湿度を加えながら乾かしますが、思うように乾燥させるには経験を必要とします。 漆は塗る事よりも、乾かす事の方が難しいとも言われてます。 |
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漆の乾燥に良いとされる環境は以下記の様です。
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一般の家庭で漆を乾かすには、ダンボール箱やプラケースを利用するのが手軽で便 利です。 箱の内底へ防水のためにビニールシートを敷き、その上に湿らせたタオルな どを敷き、蓋をすれば湿度が保てます。乾かす時に、湿らせたタオルや水滴が、漆の 塗膜に直接触れると、白く曇った様(カブルと言います)になるので注意が必要です。 |
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プラケースを利用した乾燥箱の説明図。 |